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赤磐市の地質遺産(4)

2016年1月26日 (赤磐市の地質遺産)

4. その他のジオサイト候補

  赤磐市には吉備層群周匝層だけでなく,地質学的に非常に価値のある施設及び露頭(ジオサイト)がいくつもあります.ここでは,それらの中から5サイトについて,その位置と特徴を記載します(図4).

図4. 赤磐市のジオサイト候補と周匝層(鈴木他,2003)の分布位置.

      茶臼山城(吉備高原地形)
      血洗の滝(舞鶴層群)
      岩神のゆるぎ岩(花崗岩)
      備前国分寺跡(流紋岩)



4.1. 茶臼山城

(位置)周匝地区
(種別)考古遺跡(竪穴住居),展望所.
(地質)舞鶴層群・吉備層群

 茶臼山は舞鶴層群構成岩石(約2億5000万年前の海底堆積物を起源とする)から成り,その中腹から稜線付近にかけては吉備層群周匝層と呼ばれる円礫岩が分布します.
 茶臼山山頂には舞鶴層群を掘削して造られた竪穴式住居跡が復元保存されています.また,山頂の天守からは360°の眺望が得られます.
 このサイトでは考古遺跡の見学と吉備高原面の地形観察が同時にできます.

4.2. 血洗の滝

(位置)是里地区
(種別)地質露頭,神話(スサノオ伝説).
(地質)舞鶴層群(酸性凝灰岩)

 ペルム紀(約2億9900万年前〜2億5100万年前)の陸に近い浅海に堆積した岩石を起源とする舞鶴層群が分布しています.血洗の滝は,その主な構成岩石である酸性凝灰岩と砂岩の岩相境界に当たり,その落差は10mほどです.

 本サイトには滝を御神体とする神社が祀られており,名称の由来を解説する看板も整備されています.

4.3. 岩神のゆるぎ岩

(位置)惣分地区
(種別)地質露頭,パワーストーン.
(地質)後期白亜紀花崗岩

 「ゆるぎ岩」は後期白亜紀(約1億年前〜6500万年前)に地下深所のマグマが冷えて固まった花崗岩です.長さ約4mと約5mの板状の花崗岩がわずかな支点で重なったもので,シーソーのように揺り動かすことができたようです.現在は2枚の花崗岩が安定して重なっているため「ゆるがない岩」になっています.

 このサイトでは,自然の絶妙なバランスを体感するとともに,花崗岩の風化変質を観察することができます.

4.4. 備前国分寺跡

(位置)馬屋地区
(種別)考古遺跡(国指定史跡),礎石材料.
(地質)後期白亜紀火山岩類(流紋岩)

 奈良時代の寺院跡で,礎石の岩種は,強溶結凝灰角礫岩,凝灰角礫岩,凝灰質砂岩・礫岩です.火山噴火によって放出された火山灰と火山礫が堆積し,固結したもので,西方に隣接する馬屋の岩石に由来することが明らかとなりました(鈴木他,2016:印刷中).

 本サイトでは,考古学と地質学の協働による礎石の産地推定の成功例を学びます.

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