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セッション3:地球科学系分野の人材育成とその先にある課題

2. オープニング記念国際会議 in 岡山

(地質学講座5:JCCA CPD認定プログラム6単位)

日時:平成29年10月15日(日) 9時30分~20時30分
会場:岡山国際交流センター(岡山市北区奉還町2丁目2-1)
参加費:無料

★セッション3:地球科学系分野の人材育成とその先にある課題

時間:15:00〜17:00
言語:日本語
世話人:竹下浩征氏(jGnet、HIGC)・八木公史氏(jGnet、HIGC地質技術センター)

【趣旨】
 地球科学は社会基盤を支えてきた学問の一つであるものの,残念ながら社会一般での認知度は極めて低い.地球科学が今後も社会的にマイナーな存在であり続ければ,研究の停滞や人材の不足に繋がる恐れがあり,それは国益の確保という観点からも極めて不幸な事態である.地質災害の多い我が国においては,地学教育の拡充とそれを実践する人材の確保は喫緊の課題である.また同時に,地学教育を履修した若者の受け皿となる民間企業の育成も重要な課題である.地質系コンサルタント企業の多くはもはや地球科学ではなく土木工学を主戦場としているからである.
 これらの課題は,当然ながら一つの大学研究室あるいは一人の研究者の努力で解決できるものではない.複雑な形成史を持つ試料に対しては複数の年代学的手法を併用するように,ひとりで解決困難な課題に対しては同じ思いを持つ研究者が協力して組織的に対処することが望まれる.そのための第一歩として,ここに大学,高校,民間企業などの各界において活躍されている現役の大学人,教員,企業人の方に,地球科学が直面しているいくつかの課題(例えば,地学教育の衰退,博士号取得者の就職難,コンサルタント企業の地質離れなど)について話題提供をいただき,それらについて参加者全員で建設的で前向きな意見交換を行っていただきたいと考えている.日本の現状を議論した後には,Lee Hyunkoo氏(元韓国地質学会会長)から韓国での現状を,またNuong Nguyen氏(ベトナム石油大学)からベトナムでの現状についてコメントをいただく.
 意見交換の結果,業種や国によってはもしかしたら「特に大きな問題は存在しない」となるかも知れない.しかしながら,いつの日か地球科学を取り巻く環境すべてでより良くなることを願うものである.1題当たりの話題提供と意見交換の時間は20〜30分とします。
 <話題提供予定者>
・川勝和哉氏(jGnet、兵庫県立西脇高校):小学〜高校の地学教育の現状と課題
・窪田安打氏(応用地質株式会社):地質離れが進むコンサルタント業界の苦悩
・平島崇男(京都大学):学位取得者の就職難について
<コメント予定者>
・Lee Hyunkoo氏(jGnet、IMER):韓国の場合
・Nuong Nguyen氏(jGnet、ベトナム石油大学):ベトナムの場合